これもきのうのはなし
2013年11月29日 日常
-----続き
念のため104の番号案内からS田区役所へ繋いでもらう。
「はい、S田区役所総合案内です」
妙齢の受付嬢の声に「国民健康保険料の納付処理をしている部署へ」と被せる
「・・・お繋ぎ致します」
「ブッ・・はい、国保保険料係です」
「少しお伺いしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「はい、なんでしょう?」
電話口の男性職員はこのやりとりはルーチンワークになっているのであろう、滑らかで澱みないややハイトーンの声で答えた。
「・・・俺は区内で『骨接ぎ』をやってるreijirouってモンだが、患者さんの御婦人宅に役所から電話で同居していない息子の保険料を払うように連絡が来たって言うんだよ」
「・・・」
「で、な・・・御婦人が『今、持ち合わせが無い』って答えたら、『明日お宅まで受け取りに参ります』って言って、実際にお金を取りに来たらしいんだわ・・・」
「そういう『訪問回収業務』って、実際役所でやってるワケ?」
少しの間があって、係の男性は答えた。
「はい、いたしております」
ファッ!!
「侵入者だッッ!!」
いや、違う・・・なんだって!?
「え!?そんなサービスがあるの!?」
思わず受話器に向かって大きな声を出してしまう俺・・・そして傍らでそんな俺を見ていた御夫人もビクッ!っと驚かせてしまった、すみません。
「・・・はい、S田区では近年、在宅にて国民健康保険料をお支払いいただけますようにと、外回りの職員が直接個人宅にお伺いして集金するサービスを行なっております」
へぇ~
「ご不審な点がございましたら職員に身分証の提示を求めるか、その場に待たせて当『国保年金課国保保険料係』までお電話にてお問い合わせください」
係の男性は電話口の向こうで恐らく営業用の笑みを浮かべているのであろう声の調子で答えた。
「・・・それってやっぱり納付率40%ってのをなんとかする為の措置って奴かい?」
俺は拍子抜けと安堵感から間の抜けた質問をしてしまったが、係の男性は
「・・・そこはご想像にお任せいたしますが、区民サービス向上の一環と我々は捉えております」
(まぁ、そうだろうよ)
電話が終わり、御婦人にコトの顛末を伝える。
御婦人は「騙されていたのでなくて良かった」とほっと笑みを浮かべると、いそいそと外へ出て行き「世話になったから」と近所の伊勢屋で買ってきた大福を「何もしてないから・・・」と固辞する俺の事務机の上に置いて帰った。
俺は自分が詐欺師になったような気がして、なんだか甘いはずの大福もしょっぱく感じるんだよねェ・・・やれやれ・・・
念のため104の番号案内からS田区役所へ繋いでもらう。
「はい、S田区役所総合案内です」
妙齢の受付嬢の声に「国民健康保険料の納付処理をしている部署へ」と被せる
「・・・お繋ぎ致します」
「ブッ・・はい、国保保険料係です」
「少しお伺いしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「はい、なんでしょう?」
電話口の男性職員はこのやりとりはルーチンワークになっているのであろう、滑らかで澱みないややハイトーンの声で答えた。
「・・・俺は区内で『骨接ぎ』をやってるreijirouってモンだが、患者さんの御婦人宅に役所から電話で同居していない息子の保険料を払うように連絡が来たって言うんだよ」
「・・・」
「で、な・・・御婦人が『今、持ち合わせが無い』って答えたら、『明日お宅まで受け取りに参ります』って言って、実際にお金を取りに来たらしいんだわ・・・」
「そういう『訪問回収業務』って、実際役所でやってるワケ?」
少しの間があって、係の男性は答えた。
「はい、いたしております」
ファッ!!
「侵入者だッッ!!」
いや、違う・・・なんだって!?
「え!?そんなサービスがあるの!?」
思わず受話器に向かって大きな声を出してしまう俺・・・そして傍らでそんな俺を見ていた御夫人もビクッ!っと驚かせてしまった、すみません。
「・・・はい、S田区では近年、在宅にて国民健康保険料をお支払いいただけますようにと、外回りの職員が直接個人宅にお伺いして集金するサービスを行なっております」
へぇ~
「ご不審な点がございましたら職員に身分証の提示を求めるか、その場に待たせて当『国保年金課国保保険料係』までお電話にてお問い合わせください」
係の男性は電話口の向こうで恐らく営業用の笑みを浮かべているのであろう声の調子で答えた。
「・・・それってやっぱり納付率40%ってのをなんとかする為の措置って奴かい?」
俺は拍子抜けと安堵感から間の抜けた質問をしてしまったが、係の男性は
「・・・そこはご想像にお任せいたしますが、区民サービス向上の一環と我々は捉えております」
(まぁ、そうだろうよ)
電話が終わり、御婦人にコトの顛末を伝える。
御婦人は「騙されていたのでなくて良かった」とほっと笑みを浮かべると、いそいそと外へ出て行き「世話になったから」と近所の伊勢屋で買ってきた大福を「何もしてないから・・・」と固辞する俺の事務机の上に置いて帰った。
俺は自分が詐欺師になったような気がして、なんだか甘いはずの大福もしょっぱく感じるんだよねェ・・・やれやれ・・・
コメント