先日、俺の店に元・町会長のYさんが訪ねてきた。
用件は総務省・経産省の墨田区内の事業所に対するアンケートに答えて欲しいというものだった。
くすんだ緑色の大判の封筒に入ったアンケートを受け取った俺は、早速それを開けて見た。
アンケートの用紙が一枚とその書き方に関する注意事項・手順などを説明する小冊子、アンケートの意義を訴えるチラシと役所が製作したらしい「これはお願いの形をとった強制ですw」というお手紙だった。
俺はしばらく小冊子とアンケート用紙を交互に見比べていたが、どうやらアンケートの後半は税理士事務所のお世話にならねばどうにも埋められないらしいと気がつくと経理関係をお願いしている事務所へと電話を繋いだ。
たいしてお世話をしてもされてもいないオペレーターの女の子と「いつもお世話になっております」「いえいえこちらこそいつもお世話に、、、」などとそれらしい挨拶を交わし、「経理のSさんをお願いします」と用件を伝えると「申し訳有りませんが本日Sはお休みしておりまして、、、」と残念そうに返してきた。
ならば同じ事務所のM氏をと伝えるとオペレーターの女の子は「少々、お待ちください」と言い残し、M氏のデスクに繋いでくれた。
俺はM氏にアンケートを書かねばならぬので数字部分の書き方を御教授願いたいと率直に言うと、「わかりました、では、そのアンケートを送ってください」と返って来たのでアンケート用紙をスキャナーで撮ってメールに添付した。
ややあってメールと共にFAXが送られてきた。
俺は店の年季の入ったFAXが「ブブッ、、、ブブブブ、、、、」と文句ありげな音を立てながら耳の赤い紙を吐き出すのを横目にメールを開いてみた。
お疲れ様です。
平成23年中の売上、経費の資料がまだこちらに届いていないので、平成22年の数
字を記入しておきます。
確定申告もありますので、早めに資料をSまで送ってください。
よろしくお願いします。
M
一度読んで、もう一度見返してみる。
そうだな、、、言われてみれば確かに今月中に資料となる書類を提出してくれと言われていたっけ、、、
でもさ、、、
23 年 度 分 の 資 料 が 足 り な い か ら 、、、
ってのは解るけど
22 年 度 分 の 資 料 で 作 っ て お き ま し た w
ちゅーのは意味不明だよな、、、「足りないから書けません」なら話は解るが、「足りないから別の資料で書きますねwww」、だ、、、とォ?
、、、いや、正直解らない、毎度のことだが理解できない。
ふしぎな書類いーただいて いーただいてェー
渋谷でうぅーみを見ちゃったのォー、、、
「ピーッ!!」
俺をよく解らない思考の迷宮から引っ張り出したのはFAXの「ロール紙がありません」という警告音だった。
俺はPCを閉じるとのろのろと受話器に手を伸ばし、事務所へと電話するべくリダイヤルのボタンを押した。
2コールで出たオペレーターの女の子に、ほぼ挨拶抜きで「M氏を」とだけ伝えると女の子は「少々お待ちください」と答えてM氏に代わった。
俺は電話口でなにやら聞いてもいない説明をあわててし始めるM氏にうんうんと相槌を打ちながら言った
「ごめん、少しいいですか?」
「はい」
「FAXの紙が途中できれてしまったもので、、、すみません」
「あ、そうですか、、、」
「それと、な」
「はい」
「資料が足りてないから書類は今作れないんだよね?」
「あ、はい、だから一昨年の分の、、、」
「じゃあ足りない資料を送るから、必要事項を書き込んでFAXもらえますか?」
「ええ、ですから、、、」
「先ほど途中まで頂いた一昨年の資料を基に書いた書類は提出できませんよね?」
「、、はい、そうですね」
「では、それは送っていただかなくて結構です」
「、、、はい」
「資料の提出が遅れて申し訳有りませんでした」
「あ、ええ」
「明日には発送しますので、届いたら処理をお願いします」
「はい」
電話を切った俺はなんだかドッと疲れを感じ、デスクの後ろの壁に寄り掛かるようにして腰掛けた。
ふぅ、、、
ピリリリリリリ!ピリリリリリリ!
突然、けたたましい警告音を立てたのは店のFAXだった。
何事かと思ってFAXの液晶ディスプレイを覗き込むと、そこには先程まで電話で話しをしていた事務所のFAX番号が点滅していた。
俺はプチッとFAXの回線を止めると、素早く受話器を取ってリダイヤルのボタンを押しながら思った。
想定されうるあらゆる事態に対して事前に手をうっておかなかった俺が悪かったんだ、、、これは俺の怠惰に対する報いなのだ、とな。
俺は2コールで電話に出たオペレーターの女の子にだけは敬意を払おうと心に決めて話し始めた
「もしもし、いつもいつもお世話になっております、、、」
用件は総務省・経産省の墨田区内の事業所に対するアンケートに答えて欲しいというものだった。
くすんだ緑色の大判の封筒に入ったアンケートを受け取った俺は、早速それを開けて見た。
アンケートの用紙が一枚とその書き方に関する注意事項・手順などを説明する小冊子、アンケートの意義を訴えるチラシと役所が製作したらしい「これはお願いの形をとった強制ですw」というお手紙だった。
俺はしばらく小冊子とアンケート用紙を交互に見比べていたが、どうやらアンケートの後半は税理士事務所のお世話にならねばどうにも埋められないらしいと気がつくと経理関係をお願いしている事務所へと電話を繋いだ。
たいしてお世話をしてもされてもいないオペレーターの女の子と「いつもお世話になっております」「いえいえこちらこそいつもお世話に、、、」などとそれらしい挨拶を交わし、「経理のSさんをお願いします」と用件を伝えると「申し訳有りませんが本日Sはお休みしておりまして、、、」と残念そうに返してきた。
ならば同じ事務所のM氏をと伝えるとオペレーターの女の子は「少々、お待ちください」と言い残し、M氏のデスクに繋いでくれた。
俺はM氏にアンケートを書かねばならぬので数字部分の書き方を御教授願いたいと率直に言うと、「わかりました、では、そのアンケートを送ってください」と返って来たのでアンケート用紙をスキャナーで撮ってメールに添付した。
ややあってメールと共にFAXが送られてきた。
俺は店の年季の入ったFAXが「ブブッ、、、ブブブブ、、、、」と文句ありげな音を立てながら耳の赤い紙を吐き出すのを横目にメールを開いてみた。
お疲れ様です。
平成23年中の売上、経費の資料がまだこちらに届いていないので、平成22年の数
字を記入しておきます。
確定申告もありますので、早めに資料をSまで送ってください。
よろしくお願いします。
M
一度読んで、もう一度見返してみる。
そうだな、、、言われてみれば確かに今月中に資料となる書類を提出してくれと言われていたっけ、、、
でもさ、、、
23 年 度 分 の 資 料 が 足 り な い か ら 、、、
ってのは解るけど
22 年 度 分 の 資 料 で 作 っ て お き ま し た w
ちゅーのは意味不明だよな、、、「足りないから書けません」なら話は解るが、「足りないから別の資料で書きますねwww」、だ、、、とォ?
、、、いや、正直解らない、毎度のことだが理解できない。
ふしぎな書類いーただいて いーただいてェー
渋谷でうぅーみを見ちゃったのォー、、、
「ピーッ!!」
俺をよく解らない思考の迷宮から引っ張り出したのはFAXの「ロール紙がありません」という警告音だった。
俺はPCを閉じるとのろのろと受話器に手を伸ばし、事務所へと電話するべくリダイヤルのボタンを押した。
2コールで出たオペレーターの女の子に、ほぼ挨拶抜きで「M氏を」とだけ伝えると女の子は「少々お待ちください」と答えてM氏に代わった。
俺は電話口でなにやら聞いてもいない説明をあわててし始めるM氏にうんうんと相槌を打ちながら言った
「ごめん、少しいいですか?」
「はい」
「FAXの紙が途中できれてしまったもので、、、すみません」
「あ、そうですか、、、」
「それと、な」
「はい」
「資料が足りてないから書類は今作れないんだよね?」
「あ、はい、だから一昨年の分の、、、」
「じゃあ足りない資料を送るから、必要事項を書き込んでFAXもらえますか?」
「ええ、ですから、、、」
「先ほど途中まで頂いた一昨年の資料を基に書いた書類は提出できませんよね?」
「、、はい、そうですね」
「では、それは送っていただかなくて結構です」
「、、、はい」
「資料の提出が遅れて申し訳有りませんでした」
「あ、ええ」
「明日には発送しますので、届いたら処理をお願いします」
「はい」
電話を切った俺はなんだかドッと疲れを感じ、デスクの後ろの壁に寄り掛かるようにして腰掛けた。
ふぅ、、、
ピリリリリリリ!ピリリリリリリ!
突然、けたたましい警告音を立てたのは店のFAXだった。
何事かと思ってFAXの液晶ディスプレイを覗き込むと、そこには先程まで電話で話しをしていた事務所のFAX番号が点滅していた。
俺はプチッとFAXの回線を止めると、素早く受話器を取ってリダイヤルのボタンを押しながら思った。
想定されうるあらゆる事態に対して事前に手をうっておかなかった俺が悪かったんだ、、、これは俺の怠惰に対する報いなのだ、とな。
俺は2コールで電話に出たオペレーターの女の子にだけは敬意を払おうと心に決めて話し始めた
「もしもし、いつもいつもお世話になっております、、、」
コメント
(;゚ Д゚) …22年度!?
このAAがとっさに思い浮かびました。正直、その辺よく分からないけど、
22年度のを作成されたとしても、お金取られるんじゃ…って思ったんですが、その辺大丈夫なんでしょうか。
、、、大丈夫ですが、M氏が素でやってるのか狙ってやってるのか解らない部分が不安です
、、、前にもこんなことが何度かありましたからねェ、、、